ぼんぼりが灯る石畳の坂道に、編み笠姿の踊り手―。越中八尾観光協会が厳選した写真を綴った「2026年 おわら風の盆カレンダー」の発売が始まりました。今回から縦幅を20センチ長くし、縦73㎝×横39㎝の存在感あるサイズにリニューアル。おわらの1シーンを切り取った写真は町の風情をたっぷり伝え、今にも三味線や胡弓(こきゅう)の音色が聞こえてくるよう。魅力をたっぷり紹介します。

リニューアルしさらに魅力が増した「2026年 おわら風の盆カレンダー
11町内を1ページずつ紹介 歌詞の解説も
富山市はことし1月、米国の有力紙『ニューヨーク・タイムズ』が発表した「2025年に行くべき52カ所」に選ばれました。「おわら風の盆」は記事の中で“提灯の灯りに照らされた踊りが街を埋め尽くす”と紹介され、世界から注目を集める存在となりました。
カレンダーでは、八尾地区の11町内を1ページずつ紹介。町ごとに唄や踊り、衣装に特徴があり、ページをめくる度にその違いを楽しめます。各ページには「おわら節」の歌詞も掲載。写真下にある2次元コードをスマートフォンなどで読み込むと、歌詞の解説や各町内の風景写真、地域の特徴などを紹介するウェブサイトにアクセスでき、おわらの魅力をより深く知ることができます。
月が替わって役目を終えた後は、暦部分を外して写真だけを飾ることもできます。越中八尾観光協会の楠純太さんは「購入された方からは、切り取って掛け軸のように飾りたいという声も寄せられています」と話します。お気に入りの町内の写真を、暮らしの中でいつも目にする場所に飾っておけるのも魅力です。
カレンダーが新たな旅のきっかけに
おわら風の盆は1702年、八尾の町衆が祝いで三日三晩、町を練り歩いたことが起源とされ、やがて二百十日の風の厄日に、収穫前の稲が台風被害に遭わないよう風鎮と豊年豊作を願う「風の盆」に変化したと言われています。1920年には「おわら研究会」ができ、地元の医師で初代会長だった川崎順二が、画家であり歌人の小杉放菴(ほうあん)や若柳流宗家の若柳吉三郎らに唄と踊りの改良を依頼。このときにできた美しい踊りが、今日まで受け継がれてきました。

カレンダーの売り上げの一部は、八尾地区の伝統文化の保存・継承活動に活用されます。楠さんは「町を訪れたことのある人にとっては、カレンダーで懐かしい光景がよみがえり、まだ訪れたことのない人にとっても、優美な踊りや情緒ある町並みを目にすることで、八尾を訪れる新たな旅のきっかけになります。化粧箱入りで贈答にも最適なので、いつもお世話になっている方や、親戚・友人への年末年始のごあいさつ、帰省土産としてもおすすめします」と話しています。

価格:化粧箱入り2,200円(税込)
販売:富山市八尾曳山展示館や越中八尾観光協会の公式オンラインショップなどで販売
問い合わせ
越中八尾観光協会 富山市八尾町上新町2898-1
富山市八尾曳山展示館内
開館時間:9:00~17:00(16:30受付終了)、年中無休(但し、年末年始を除く)
入館料:大人500円、小人300円(高校生以下)、団体割引あり(20名様以上)
電話:076-454-5138