おやつから工芸品まで、富山ならではの逸品を紹介します。(情報は取材時の内容です)

高級感のある八尾和紙でラッピングした「八尾プレミアムくわ葉茶」(3,960円)は、「満月のくわ葉茶」(左)と「新月のくわ葉茶」をセットで販売


かつて「蚕都(さんと)」と呼ばれ、養蚕で栄えた歴史を持つ富山市八尾町。蚕のエサである桑の栽培も盛んに行われていた。養蚕業の衰退とともに減少した桑畑を再生し、地域の資源として活用したい。そんな思いから、社会福祉法人フォーレスト八尾会(富山市)は2004年に「くわ茶プロジェクト」を立ち上げた。同会が運営する就労継続支援事業所「おわらの里」の利用者と協力し、桑の栽培と桑茶の製造販売に取り組んでいる。

八尾町足谷地区にある桑畑には、夏になると大きく育った葉が一面に生い茂る。新茶は8月ごろから販売予定

昨年秋、新月と満月の日に摘んだ2種類の桑茶が楽しめる「八尾プレミアムくわ葉茶」を発売。「新月のくわ葉茶」は浅めの焙煎(ばいせん)で爽やかな飲み心地に、「満月のくわ葉茶」は深めの焙煎で香ばしく仕上げた。収穫から茶葉の加工まで、全ての工程を手作業で行っている。雑味がなくまろやかな味わいに、町の文化を受け継ぐ作り手の丁寧な仕事ぶりが伝わってくる。

 

撮影:南部スタジオ