Bリーグ1部の2023-24シーズン、富山グラウジーズは前節まで20連敗を喫し、4勝44敗で全24チームの最下位に沈んでいる。残り試合が12となった現状、2部降格を回避するために必要とされるのは五分以上の星勘定となるだろう。平均得点73・7はリーグ23位、平均失点86・4が24位で、これらの数字を劇的に向上させるのは容易ではない。一方、選手たちの気持ちひとつで改善でき、勝利に近づけるプレーもある。リバウンドとルーズボールの確保だ(記事内の記録はすべて4月5日現在)。

連敗が続くなかでも変わらないブースターの声援に選手たちは応えられるか

リバウンドがむしろ弱点に

 富山がチャンピオンシップ進出を果たした2020-21シーズン、平均得点はリーグ1位の89・2を誇った。平均リバウンド37・0(7位)、平均オフェンスリバウンド10・6(9位)、3Pシュート成功率37・4%(4位)と、高い水準で攻撃を連動させている。その中核にあったのが巨漢センター、ジョシュア・スミス(現B1名古屋D)だった。5シーズン在籍したスミスが昨季限りでチームを離れ、富山は昨今のトレンドである「走るバスケ」への戦術変換を試みている。しかし、走るバスケとリバウンドは直結するものであり、モデルチェンジはたやすくなかった。

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