仕事をしながらの子育ては、毎日が時間との闘いです。うまくいかず落ち込む日もあります。好きな仕事を続けてきたワーママたちは、悩んだ時、どうやって乗り越えてきたのでしょうか。農林中央金庫富山支店(富山市)系統サポート班主任の杉原愛香さん(35)に話を聞きました。

短大卒業後に入庫し、現在は、小学1年の長男と年中の長女を育てながら、フルタイムより90分短い時短勤務をしています。担当は、系統組織である農協の国債や投資信託の事務などで、みなさんのお役に立てることにやりがいを感じます。

産休・育休制度は2度利用しました。子育て世代の職員も多く、子どもの急な病気も「よくあること」と理解してもらえ、有休や看護休暇も取りやすいので、とても感謝しています。

周囲の理解とサポートに感謝

理想の職場環境ですが、仕事を辞めようかどうか悩んだことがありました。通勤に1時間かかるため、朝早くから眠そうな子どもを起こして急かさなければならず、さらにサポートしてくれる義母や実母の負担を考え、自宅近くに転職したほうがよいのではないかと思ったからです。その時、思いとどまったのは「協力するから辞めなくていいよ」と励ましてくれた夫や母たちの言葉でした。

その後も「家事も育児も仕事も中途半端だな」と悩むことがありましたが、義母の「私も同じように子どもの面倒をみてもらった。こういうのは順番だよ」という言葉に救われ、「合格点は低めに。子どもが笑っていればよし」と思うようにしています。

「量より質」を意識して向き合う

子育ても家事も、頼れる人やサービスにとことん頼っています。子どもが病気で何日も休み、看病する家族の都合がつかない日は、かかりつけ医が運営する病児保育を利用します。家事は、食材を入れるだけの自動調理鍋や乾燥機能付き洗濯機で時短を図り、重い買い物は宅配サービスを頼みます。

平日は子どもとの時間があまりとれないので、「量より質」を意識し、短い時間でもしっかり向き合って話を聞くようにしています。そして休日は一緒にお菓子を作ったり、季節の遊びを楽しんだりして家族のふれあいを大切にしています。いつか子どもたちに「働くママがカッコいい」と感じてもらえたら、悩んだ日々も報われるのではないかと思います。