「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児 野球大会」が11月29日~12月1日、球児憧れの甲子園球場などで開かれた。富山県からは2020年の県独自大会を制した高岡第一高校野球部OBが出場。選手たちは「青春が戻ってきた」と3年越しの夢をかなえ、仲間とのプレーを楽しんだ。

甲子園球場前で集合写真に納まる高岡第一OB

 大会は、新型コロナウイルスの影響で戦後初めて中止となった第102回夏の全国高校野球選手権をよみがえらせようと、武蔵野大3年の大武優斗さん(21)が発起人となり有志と企画した。全国から42チーム、700人以上の元高校球児が参加した。

県独自大会で優勝を決めた高岡第一ナイン=2020年8月、富山市民球場

 当時、県内では富山大会に代わる独自大会「TOYAMA2020高校野球大会」を開催し、連合チームを含む46チームが出場した。決勝は高岡第一が石動を1-0で下し、1981年の夏大会以来、39年ぶりに「夏の栄冠」に輝いた。

シートノックで聖地の土を踏んだ高岡第一のOB=甲子園球場

 11月29日、甲子園球場。高岡第一は女子マネジャー2人を含む当時の3年生17人がユニホーム姿で堂々と入場行進した。選手たちは「あの頃を思い出す」とユニホームに袖を通し、与えられた5分間のシートノックで仲間たちと「夢の時間」を味わった。

憧れの地で受けるノックに笑顔が広がった

 当時の主将を務めた長井隆輔さん(21)は「3年前と同じメンバーで久しぶりに野球ができ、青春が戻ってきた」と喜んだ。村本忠秀監督は「本当に良かった。高校球児としての気持ちは変わらず、20~21歳の高校時代では表現できないようなパワフルな姿があった」と晴れやかに話した。

交流戦を前に意気込む高岡第一OB=高砂市野球場

 30日は兵庫県の高砂市野球場で東東京代表の帝京OBとの交流戦に臨んだ。

交流戦で帝京を抑え、笑顔のバッテリー

 独自大会決勝で完封したエース田中が今回も投手として

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