プロ野球独立リーグ・日本海リーグは富山GRNサンダーバーズが初代王者に輝いた。石川ミリオンスターズとの2球団で発足した新リーグは年間40試合を実施。シーズンを3タームに分けて競い、第1ターム(15試合)を8勝6敗1分けで制し、第2ターム(15試合)は5勝9敗1分けで落として並んだが、優勝がかった第3ターム(10試合)を全勝した。

選手の成長が勝利に直結
富山は今シーズン、終盤にかけて調子を上げ、8月16日から12連勝で終えた。9月8日に優勝を決めた後の4試合もすべて勝ち切るほどチーム力が充実し、勢いがあった。

吉岡雄二監督は「選手が成長し、それが優勝につながったことがうれしい。個々が『どこを目指してやるのか』を考え、切磋琢磨しながらレベルアップした。試合をつくるには投手の力が重要だったが、期待に応えてくれた。野手もしっかり攻撃できるようになり得点力も上がった。第3タームは投打が非常にかみあった。第1タームを取れたのが大きかった。第2ターム以降、育成を優先的に考えながら、選手にとって何が良いかをスタッフで話し合いながら進めることができた」と語っている。

NPBへの選手輩出を目指して個々の育成を重視しつつ、チームとしての結果も求めなければならない。容易ではないその両立を、今季のサンダーバーズは成し遂げたと言えるだろう。
150キロ超えリリーフ陣が躍動
開幕前から期待の大きかった投手陣がその力を発揮した。中でも最速150キロ超えの山川晃司、(松原)快、日渡柊太、大谷輝龍を中心とするリリーフ陣は強力で、石川打線を球威で圧倒した。前ヤクルト捕手で投手転向4年目の山川はシーズン通して抑えを務め、防御率1・14で14セーブをマーク。加入2年目の快は安定感を増して防御率は0・89で、中継ぎながら5勝。日渡もリーグ最多の27試合に登板してフル稼働した。

第2タームからは調整が遅れていた大谷も加わった。小松大谷高卒で社会人野球のJFE東日本と伏木海陸運送に計4年在籍し、NPB入りを期して今季入団。西村憲投手コーチの指導のもと、最速157キロを記録するなど急成長している。

大谷は「今年は155キロが目標だったので球速アップには自分でも驚いているが、まだまだいけそうな感覚もある。外回りしがちな力が分散してしまうフォームが改善された。コントロールへの不安がなくなり、思い切りよく腕を振れている」と話す。9月19日の西武3軍戦では、走者を背負った状況で1イニング3三振を奪った。NPB各球団のスカウトが