おやつから工芸品まで、富山ならではの逸品を紹介します。(情報は取材時の内容です)
冬の魚津港で水揚げされた天然ブリを、塩で締めて浜風で干す。さらに半年ほどかけて冷凍でじっくり熟成させ、骨や皮を丁寧に取り除いて切り身やスライスにする。スライスは生ハムのようにそのまま味わえ、切り身は焼いても汁物に入れてもよい。一口食べると脂がとろけ出し、ふくよかな香りが鼻を抜ける。うまみが舌の上に広がり、余韻がじんわりと長く続く。
「古くから伝わる干物のおいしさをもっと知ってもらいたい」と専務の浜岡愛子さん。「豊かな海を支える、魚津の山にも興味を持ってもらうきっかけになれば」との思いから、スライスのパッケージには地元の間伐材で作ったブリの形のスティックも付ける。日本酒はもちろん、チーズを添えてワインに合わせたり、パスタやお茶漬けに加えたりと食べ方はいろいろ。干物の新しいおいしさに出合えそうだ。
撮影:南部スタジオ