北日本新聞社の次世代応援キャンペーン「希望スイッチ」は、今年2月から国内外で活躍する若者たちへのインタビューや、イベントなどを展開してきました。全5回のインタビューでは、世界に飛び出したり、社会に変革をもたらしたりしている5人が、同世代を刺激する言葉を伝えました。締めくくりに、県内在住・出身の高校生と大学生がメッセージを受け止め、心象を描きました。正解のない未来に向かって、未完成のアーティストが自由な表現を放つ「希望スケッチ」です。インタビューに背中を押された入善町の中学生も紹介します。

正解のない未来へスケッチ

 

「声を上げるからこそ見える世界」 富山南高校3年 今村 莉々香さん(18)
辻愛沙子さんのインタビューから

 

壁と向き合うワクワク

 焦燥感から未知の世界に足を踏み出す辻さんがかっこいいですね。どんな困難でも、壁でもワクワクしながら向き合っていく。辻さんという女性がとてもパワフルな存在に見えました。
 私が描いたのも、そんな強い女性。現実の向こうにある希望や課題を見つめ、自分自身の意志で前に進む。そして渦巻く闇や波の向こうにある扉にたどり着くというイメージです。描いていて楽しかった!
 辻さんは地方が面白いと言っていましたね。私も大学でデザインを学んで生まれ育った場所をもっと面白くしたいです。

 

 

「解放」 富山大2年 前佛壮太郎さん(21)
大空幸星さんのインタビューから

 

孤独に差し伸べられる手

 大空さんのNPOでは、孤独に苦しむ人を支援するためにチャット相談を行っています。ネット上の活動によって救われる人をデジタルソフトで描きました。チャットのやりとりが鍵となり、閉じられたハートが開くイメージです。人物が仮面を着けているのは、笑顔でも内心は泣いていたり困っていたりする人がいますから。
 世の中には手を差し伸べないといけない人がいます。実際に助けるのはなかなか難しいことだと思いますが、何が支援になるのか知っておくことが大事だと感じました。

 

 

「Look in the new world.」 富山大2年 長谷川瑛大さん(20)
栗本拓幸さんのインタビューから

 

虫眼鏡で世界を見る

 栗本さんは「何かにチャレンジするときにちょっと視点を変える」よう勧めています。見方によって違うものが見えるということを、写真と手描きの絵を組み合わせることで表現しました。虫眼鏡のように人さし指と親指で輪をつくってアジサイを観察する写真を撮り、色鉛筆や水彩などを使って輪の中に花を描きました。
 「突き詰めることで、他の人が得がたい強みが手に入るかもしれない」というところが共感できました。学んでいるデザインを突き詰めていきたいです。

 

 

「原動力」 金沢美術工芸大1年 岩尾琉花さん(18)
RIEHATAさんのインタビューから

 

全てがエネルギッシュ

 RIEHATAさんの言葉の一つ一つがエネルギッシュで感動しました。最初から最後までインパクトが強い。写真もスゴイ。特に胸に響いたのが「理想が自分を動かす」という言葉です。絶対に譲れないものが胸にあるのなら、それを貫くだけなんですね。「私も何かしてみよう」と自然と思わされました。
 今回表現したのはRIEHATAさんのダンスではなく、希望を手にしているというイメージです。RIEHATAさんらしい原色を使いました。「生きている」という力強さを伝えられたらと思います。

 

 

「故郷」 雄峰高3年 清水茉稀さん(18)
反田恭平さんのインタビューから

 

街並み奏でるピアノ

 反田さんの「音楽家の生まれ育った時代や土地のにおいが感じられるように演奏すべき」という考えが印象的でした。ショパンはポーランド出身と紹介されていたので、国の街並みを調べ、ピアノから浮かび上がるように描きました。
 「いい音楽をやるためには音楽以外の要素も視野に入れた方がいい」という言葉は、自分にも当てはまることだと感じました。美大に進学するのが夢ですが、絵ばかり練習するのではなく、感性を磨くための他の方法を探りたいです。

 

いつか一緒のステージに
RIEHATAさんの言葉に刺激

愛場花穂さん 入善中1年

 入善中学1年の愛場花穂さん(12)は、世界的ダンサー、RIEHATAさんのインタビューが掲載された希望スイッチの紙面を自室の壁に張っている。「毎日寝る前に見て、明日も頑張ろうとモチベーションを高めています」と笑顔を見せる。

自室の壁にRIEHATAさんのインタビュー紙面を張っている愛場花穂さん(右)と、母の仁美さん

 小学5年生の3月にダンスを始めた時から、RIEHATAさんは憧れの存在だ。5月28日、母の仁美さんからRIEHATAさんが新聞に出ていると聞き、飛び起きた。「自分の何もかもが武器になる」。この言葉にくぎ付けになった。

 RIEHATAさんは新潟県糸魚川市出身。地方の裕福とはいえない家庭で育ったことを明かし、どんな環境でも前向きに挑戦する大切さを伝えた。「住んでいる場所は関係ないんだ」。背中を押された気がした。

 記事を読むとすぐに切り取って壁に張った。ダンスや勉強などで壁にぶつかったり悩んだりした時に、メッセージを見て力をもらおうと思ったからだ。

 入善町のダンスインストラクター、上田優佳さんが主宰する教室に週1回通い、社会人や高校生らに交じってレッスンを受けている。好きなジャンルはヒップホップやジャズダンス。記事を読んでから一層、練習に熱が入るようになった。

 変化はダンス以外にも現れた。どうしたら町がよくなるかを考える校内のプロジェクトチームに立候補してメンバーになった。「元々何でもチャレンジする方だったけど、前よりさらに積極的になった」。仁美さんは目を細める。RIEHATAさんの家族がそうだったように、子どもの可能性を信じ、後押ししたいと思っている。

 RIEHATAさんのようなダンサーになることが花穂さんの目標だ。夢をかなえるには、今よりもっと練習に励まなければいけないと分かっている。「いつか一緒のステージに立ちたい」

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7月23日紙面掲載