「栄養バランスの良い食事って?」をテーマに3月から主食、主菜と紹介してきました。今回から、最後の「副菜」について説明したいと思います。

副菜は主に体の調子を整えるものを使った料理が中心になります。

主菜ほどのボリュームはありませんが、野菜やきのこ、海藻類などを使った料理で、体の調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源です。

野菜、きのこ、海藻類は、1回の食事につき2品以上取り入れ、1日350g以上食べることが推奨されています。

副菜の例としては、煮物やお浸し、あえ物、酢もの、炒め物、サラダ、汁物などがあります。

さまざまに働く食物繊維   

中でも食物繊維は、大腸内の細菌で発酵、分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増えて腸内の環境が改善されます。

食物繊維の多い食品は、かみごたえがあり満足感を得られやすいという特徴があります。

そのため食事の際は、まず野菜から食べると小腸での吸収が緩やかになり、血糖の上昇を抑えるという効果があります。

便の量を増加させ、大腸を刺激し、排便をスムーズにしたり、老廃物を吸着させ排泄したりする働きもあります。

 

果物や野菜には、美白のビタミンCや強い抗酸化力を持ち免疫に働くビタミンAが多く含まれています。

加えて、カリウムやカルシウムといったミネラルも豊富です。カリウムは不足すると足がつりやすくなります。骨の材料として知られているカルシウムは、乳製品だけではなく海藻や乾物などにも多く含まれているんですよ。

現在の食生活では野菜は不足しがちです。副菜が少なくならないように意識して取り入れましょう。

牛乳やチーズも

主食、主菜、副菜の三つのほかに、牛乳やチーズなどの乳製品と果物も取り入れると、幅広い栄養素が取れるバランスの良い献立になります。

次回は、野菜を使った夏にぴったりな副菜をご紹介します。

 

◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ) ◆

管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。