立山町の会社員、青木成美さん(30)=ワーキングネーム祝部成美さん=は、2020年1月に次女を出産して育児休業に入りました。県外出身のため、近くに頼れる親類はいません。2歳の長女と次女のお世話をしながら、家事をする日々です。

「半育休」で復帰への不安少なく

もちろん充実した毎日ですが「仕事も好き。キャリアが長く途切れることで社内で差がついてしまうのではないか」との不安から、次女が9カ月を迎えたころから「半育休」に取り組んでいます。

子育てをしながら少しだけ仕事をするワークスタイルで、週1回ほど出社したり、在宅でできる入力業務を行ったりしています。子どもが寝てくれず30分しか仕事ができない日もありますが、「少しでも仕事に携わることで職場復帰への不安やあせりが減りました」と話します。
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そして育休も残り3カ月となった年末、再びモヤモヤが膨らみ始めます。「職場復帰したら、仕事と育児、両立できるかな」。そこで夫の琢朗さん(33)に〝夫婦会議〟を提案しました。テーマは「職場復帰後の家事育児分担」です。

家事と育児、かかる時間を付せんに書き出し

実は長女を出産し、実家から戻ってきた後にも、家事育児の分担について話し合った経験がありました。その時は、それぞれがやっている育児と家事、それにかかる時間を一つずつ付せんに書いて並べました。すると成美さんの育児・家事時間が、1週間で計20時間、夫より長いことが分かり、話し合って差を10時間まで詰め直しました。これが基になり、今の役割分担ができています。

今回の会議では、まず成美さんの不安な気持ち伝え、毎日の目標を決めることからスタートしました。それが「家事・育児を効率よく回し、夜のフリータイムを確保しよう!」でした。成美さんは「ゆっくりあったかいお茶を飲みたい」、琢朗さんは「録画したテレビを見たい」とそれぞれ思いを語ります。

目標は夜のフリータイム!

次に、目標に向かって具体的にどうすればよいかを話し合います。今回も、今やっている家事・育児をすべて書き出します。琢朗さんが苦手な洗濯物干しは成美さんが担当するなど、お互いの得手不得手も考慮し、パソコンで役割分担を書き込んだ朝と夜のタイムスケジュールを立てました。データはお互いのスマートフォンに送り、いつでも見られるようにしまいた。

「時間も含めて書き出すことで、それぞれの負担感がよく分かった」と話す2人。琢朗さんは「もともと家事はできるほうだが、こういう話し合いがなかったら、ここまでの分担はできていなかったかも」と言います。成美さんも「復帰後はバタバタの生活には違いないけど、自分の時間が少しは確保できるという見通しが立ったことは、安心感につながる」と話し、それぞれ〝夫婦会議〟の大切さを実感していました。