Q、在宅で働こうと思ったきっかけは?
A、大学卒業後に経理事務の仕事をしていましたが、夫の転勤を機に退職し、昨年までの8年間、専業主婦として2人の男の子を育てていました。富山市に新居を構え、次男も幼稚園に入ったタイミングで、「子どもにかかりきりになるのではなく、私自身の生きがいを持たなければ」と仕事を探し始めたのですが、子どもに影響のない時間帯で働くとなると、なかなか難しくて。特に夏休みや冬休みといった長期休暇がネックになりました。
もともとウェブ業界に興味を持っていたこともあり、「在宅ワークなら子育てへの影響も抑えられるのでは」とハローワーク富山マザーズコーナー(富山市湊入船町)に相談したところ、在宅ワークのセミナーやインターンシップがあると教わり、すぐに応募しました。

Q、現在は、ウェブ制作やシステム開発などを手掛ける富山市の会社「ウエブル」にパート勤務されていますね。同社はリモートワークなどを積極的に導入し、物理的・時間的な制約の少ない働き方を提唱しています。今の仕事に就くまでの経緯と、仕事内容を教えてください。
A、インターンシップを体験したうちの1社がウエブルでした。会社の企業理念や働き方、働く人たちのキラキラした姿にひかれ、「引き続きお仕事をさせてほしい」とお願いしたことが、今の仕事につながっています。現在は自宅でデータ入力やECサイトのアップデート、簡単なコーディング(プログラミング言語を使ってソースコードを作成すること)などを行っています。専門知識は少なかったので、日々独学を続けるとともに、迷ったときはチャットやZoomを使って上司や同僚に相談しています。リアル出勤はほとんどありません。
Q、一日の流れを教えてください。
A、朝のうちに家事をなるべく済ませ、子どもたちを送り出してから帰宅するまでの9~15時を基本的に仕事に充てています。区切りのいいところまで終わらなかった場合、子どもが帰宅して着替える間の5~10分だけ休憩したり、寝かしつけた後に再開したりしています。
通勤がない分、時間を効率的に使えること、自分のペースで働けることが在宅のメリットだと感じています。一方で、仕事の進捗や残業などは基本的に自己管理しなければいけません。求められているのは、働いた時間ではなく成果。真面目で正直であること、与えられた仕事は正確に効率良くやることを一番大切にしています。

Q、働く上でのモチベーション、やりがいは?
A、誰かの役に立っていると思えること、日々何らかの学びがあり、自分の成長を感じられることがうれしく、働く上でのモチベーションになっています。家族と過ごす時間はもちろん、自分の時間も大切にできているという実感があります。子どもとの関係も、良い意味で距離を取れるようになってきました。将来的にフルタイムで働くことを目標にしているので、さらにスキルを磨くなど、今できることを着実にやっておきたいと思っています。
Q、「在宅で働きたい」と思っている人にアドバイスはありますか?
A、迷うなら動いた方がいいと思います。在宅といってもさまざまな形があります。私も最初はいろいろ調べ、漠然と悩んでいましたが、セミナーやインターンシップを通して、自分のやりたいことや方向性が見えてきました。興味が湧くものに出合えるかもしれません。
仕事を続けていくためには絶えずスキルアップが必要で、その仕事が好きじゃないと難しいです。私は幸いにも自分に合う仕事と巡り合えましたが、もう少し早く勉強しておけばよかったと思うこともあります。まずは就業支援機関に相談するなど、一歩を踏み出すことをお勧めします。
◇ ◇

小林さんは本年度、富山県と女性就業支援センターが開催した「在宅ワークセミナー」にOGとして参加し、自身のインターンシップ体験談を披露しました。当日の動画はこちらから視聴できます。