前回は冬の食中毒の発生で多いノロウイルスについて紹介しました。

今回は、前回の注意点をもとに安全に調理しておいしく食べたい冬の料理「かきのクリーム煮」を取り上げます。

かきには、造血作用などに重要な、鉄、亜鉛、銅、葉酸、ビタミンB12などが多く含まれています。また、たんぱく質も多く含んでいます。貧血などの症状によいですね。
気候も寒くなってきました。冬に向かうには温かいクリーム煮はぴったりです。加熱処理をして食べましょう。

ノロウイルスを防ぐための調理の注意点


①    加熱調理(中心温度85度90秒以上の加熱)する。
②    カキを水洗いする場合は、洗って汚れた水がシンクや調理器具、調理済みの料理などに飛び散らないよう注意します。
③    加熱調理する前のカキを入れたボウルやざるなどの調理器具から感染することもあるので、清潔なものとの区別をしっかりする。
④    調理が終わったらしっかり手洗いをし、調理器具は次亜塩素酸ナトリウムや、熱湯消毒を行う。
⑤    おう吐、下痢などの症状がある場合や体調が悪いときには、調理作業は控える。

かきのクリーム煮


【材料】(1名分)
ほうれん草 40g
ニンジン 20g
玉ねぎ 40g
まいたけ 15g
かき 80g
バター 6g (大1/2)
コンソメ顆粒 1.5g(小1/2)
牛乳 100g
水 50g
食塩 少々
こしょう 少々

【作り方】
①    ほうれん草は熱湯でゆでて水にとって水気をしぼり、3cm長さに切ります。
②    玉ねぎは一口大、ニンジンは乱切り、まいたけはほぐします。
③    かきは塩少々(分量外)をふって、流水で洗います。
④    フライパンにバターを入れ、②の玉ねぎ、ニンジンを炒めます。玉ねぎがしんなりしてきたら、ほうれん草、まいたけ、かき、水、牛乳、コンソメを加えて煮ます。
➄かきに火が通ったら、かきを一度取りし、残りの材料は少し煮詰めます。
⑤    塩・こしょうで味を調える。かきを戻し入れさっと煮ます。


【栄養価】(1名分)
エネルギー 197kcal 
たんぱく質 5.4g 
脂質9.3g 
炭水化物 25.5g
鉄 1.1mg 
亜鉛 1.0mg

◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ) ◆

管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。