富山が誇る観光地の一つが「五箇山合掌造り集落」です。
富山県の南西端、庄川沿いに位置する自然豊かなエリアに民話の世界に入り込んだような景色が広がります。
世界遺産に選ばれたのは、1995年12月6日。
相倉(あいのくら)集落と菅沼(すがぬま)集落が岐阜県白川郷荻町集落と一緒に「世界遺産」に登録されました。
その日の夜、平村(現南砺市)役場には、村の主立った顔ぶれが勢ぞろい。電話を取った担当職員が大きくうなずきます。
「世界遺産、登録決定です」
役場は拍手と歓声に包まれました。
喜びよりも戸惑い
25年たった今では信じられないかもしれませんが、当時、相倉や菅沼に暮らす人たちが感じていたのは喜びよりも戸惑いだったそうです。
両集落は70年に国の史跡になりました。合掌造りの建物は、どれも実際に人が住み暮らしています。
文化財として保護が受けられる半面、勝手に増築したり、改築したりできない規制も受けることになったのです。
「生活の不便さが増すのでは」
勉強からスタート
民宿や土産物店の経営で観光客を受け入れる仕組みこそできていたものの、不安が先立ったのだとか。
住民の皆さんは「世界遺産とは何か」と、勉強するところから始めたそうです。
暮らしを守るため、住民の皆さんは村や県、国と話し合いを重ねました。
住民用の車庫が造られ、観光客の駐車料金などを基に合掌家屋を保存する財団も設立。若者のUターンや移住で、集落に子どもの声が響くようになりました。
地元の民宿の宿泊客は今、半数が外国人です。
景色は守り、意識は変える―。
世界遺産の誕生は、そこに暮らす人がどう変わり、どう生かしていくかという大きな示唆を与えてくれました。
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