ポイントは相手を知ること

 お庭のお手入れに自信がないという方は多いと思います。その原因は、虫が苦手、草むしりが大変・・・などお手入れにマイナスのイメージを持っているからではないでしょうか?
そのマイナスイメージをなくすポイントは、まず相手を知ること。そうすることで、苦手意識を克服することができます。
例えば、この虫、何かわかりますか?

幼虫

 この写真だけを見ると、気持ち悪いと思われる方もいるかもしれません。我が家の庭で大活躍のこの虫、しばらくすると、さなぎになります。

さなぎ

 そして、このように変化します!

羽化

 わかりましたか?「テントウムシ」です。ガーデナーの強い味方で、幼虫の時も成虫の時もアブラムシを食べてくれます。

アブラムシを食べるテントウムシ

 これらの写真は、我が家の庭での観察写真です。庭は植物を育てるだけでなく、虫がどのように育つのか、教科書だけではわからない自然の仕組みを学べる場所なのです。

オーガニックガーデンとは

 最近「オーガニック」という言葉をよく聞くようになりました。私が提案したいのは「オーガニックガーデン」です。農薬や化学肥料を使わず、虫や雑草とも仲良くするお庭です。子どもたちが遊んだり、ペットが遊んだり、また家庭菜園をされている場合は特に、農薬をあまり使いたくないと思われる方は多いと思います。オーガニックガーデンを楽しむコツは、

  1. 感じること(おもしろい、きれい、不思議!)
  2. 知ること(これは何ていう名前の虫だろう、草だろう→調べてみよう!)
  3. 興味を持つこと(名前を知ると愛着がわきます、どう対処したらよいかもわかってきます)

この3つを習得すれば、今までの庭に対するイメージが変わってきます。

お手入れを楽しむ

 庭は、眺めて楽しむのも一つですが、ぜひお手入れも楽しんでもらいたいと思っています。私がお手伝いさせていただいたお客様の中には、「芝刈りが趣味」と言われる方もおられます。

 お子さんが安心して遊べるお庭は素敵ですよね。また、庭を通して、虫のこと、草のことを知ることができれば、新しい世界が広がります。たとえば、やっかいな雑草と思われている「ドクダミ」。

 独特の匂いもあり、根も深く除草しにくい草ですが、和名は「十薬(じゅうやく)」と言い、和のハーブとして、お茶にしたり虫よけスプレーにしたりできます。ちょっと見方を変えるとお庭にはたくさんの宝物があることに気づきますよ。

 大変だと感じる草むしりも、嫌々やるのではなく、趣味として、涼しい時間帯に時間を決めて行うと、モサモサ生えていた草がきれいになった達成感を味わえ、日頃のストレス解消になると思います。ぜひあなたも、オーガニックガーデナーを目指しませんか?

◆飛世 裕香(とびせ・ゆか)◆

飛世さん

1級造園施工管理技士。一番身近な自然である庭から、自然環境の大切さを伝えたいと思い造園会社へ入社。庭の設計、お手入れサポート、庭の魅力を伝えるワークショップなどを行っている。オーガニックガーデンの魅力を伝えるべく自宅でも庭づくりを実践中。