じめじめと高温多湿の梅雨を迎えます。
学校、会社に持っていくお昼ご飯の弁当にも注意が必要ですね。
調理やお弁当詰めなど、どのような点に気をつければよいかポイントを紹介いたします。


 ■調理作業前

  • 体調不良時(下痢、嘔吐)は料理に菌を付着させる可能性があるので、あまり調理作業はしない。
  • 石けんで手を良く洗う(できれば2度洗い)
  • まな板、包丁など調理器具、お弁当箱や菜箸などは、熱湯消毒して乾燥させておく。
    食中毒を起こす菌によっては、アルコール消毒が効かないこともあります。85度以上の加熱、乾燥が必要になります。
 

■ 調理時

  • 卵、肉、魚などと調理済みの食品を扱うまな板など器具は別にする。
  • 肉、魚、卵などを扱った後は手洗いをする。
  • 加熱はしっかりと中まで火が通っているか確認をする。
  • 調理時にはスマートフォンは触らない。また、使用した場合は調理作業に戻る前に手洗いをする。
 

スマートフォンやタブレットなどの画面は菌などがたくさん付着しており、食中毒菌やノロウイルスなどウイルスが付着している場合も考えられます。また、指紋、皮脂やファンデーションで汚れている場合が多く、菌のエサが多く付着していることも考えられます。外に持ち運んだり、トイレにも持ち込むこともあります。その都度、清潔にふき取ったり、清潔に扱えればよいですが、手指のように頻繁に洗うことができません。手洗いを徹底しましょう。

■メニュー別のポイント

  • おにぎり
    素手ではなく、ラップでごはんをつつむようにして握る。
  • 卵焼き
    半熟はNG。必ず完全に火を通すこと。
  • 鶏・魚の唐揚げ・フライ
    一口大の小さめサイズが望ましい。試しに1つを切って、中まで加熱されていることを確認。
  • 焼肉、焼魚
    しっかり火が通っているか確認。
 

 ■お弁当に詰める時

  • おかずは、当日作ったものを詰める。
    ※前日の作り置きを入れる場合は温める程度ではなく、十分に加熱。その後、きちんと冷ます。作り置きして冷凍保存したものをそのままお弁当に詰めることは危険です。
  • 煮物などの汁気は必ず切る。
  • 野菜や果物など、生もの詰めるのは、できるだけ避ける。夏場は生野菜のサラダなどは避けましょう。カットフルーツ、水分の多い野菜は傷みやすいです。
  • 素手で詰めない。
  • ごはんとおかずは容器を分けるか、仕切りを活用する。
  • お弁当のふたは十分冷ましてからしめる
 

食中毒は梅雨時だけではなく、年間を通して発生しています。
食中毒の菌の種類によっては、酸素の薄いところでも生きる菌や、塩分に強い菌などもいるため、注意が必要です。

特にお弁当は作ってからすぐに食べるのではなく、保管期間が長いので、菌が増殖しやすいです。保管は冷蔵庫に入れるのがベストですが、保冷剤などを上手に活用し、常温保存は避けましょう。夏は、水入りのペットボトルを冷凍させ保冷材代わりにするのもよいですね。

 

また、お昼時に食べることができなかったり、温度管理ができなかったときは食中毒のリスクが高まります。

どうしても、温度管理や衛生管理ができない時は、エネルギーゼリー、エネルギーバー、シリアルバー、常温保存可能な牛乳、豆乳、飲料もお勧めです。

◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆

管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。

イラスト提供:PIXTA