お笑いコンビ・ティモンディに、進路に悩む小中学生へのアドバイスを聞いたインタビュー。後編では仕事や趣味、プライベートと、充実した日々を送るお二人の多才ぶりに迫っていきます。

結局、〝野球〟の日々
ー2015年のコンビ結成から、11年が過ぎました。どんな歳月でしたか。
高岸 楽しかったですね。辞めたいと思ったこともないかな。人に元気を与えよう、恩返しをしようって目標があったから。その気持ちがなかったら、もしかしたらすぐに辞めていた可能性もありますけど。
前田 僕は結局〝野球〟やってるなぁ、って感じでしたね。(芸人として)ご飯を食べられるようになるぞっていう目標に向かって、いろいろ試行錯誤して、チームメート(仲間)もいて。個人事業主ではあるものの、目標に向かって、チームで一生懸命にやってきた日々だったなと思います。
―高岸さんは24年にお子さんが生まれ、パパになりました。一方で、プロ野球独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスに所属する現役の野球選手でもあり、過去にはNHK大河ドラマにも出演。芸人に加えて選手、俳優、パパといろいろな顔があります。正直、大変だな、きついなと感じることはないですか?
高岸 子どもが生まれてからの生活は、やっぱり子どもが中心になりました。ならざるを得ないというか、中心にしたいと思う自分がいました。一つ一つの成長を見守るのも楽しいし、一緒に触れ合ったり、散歩したりするのも、すごく楽しい。人生がより彩った感じがします。「大変じゃないの?」とよく聞かれるんですが、僕の中ではどのジャンルも応援業の一つと捉えています。活動する場所や相手、how toが違うだけで、みんなに元気を与える、チャレンジしている姿を見せる。全部を通じて応援しているだけですね。

「質より量」の教え 勉強にも
ー前田さんは法学部を卒業し、成績優秀者として学費免除で大学院にも進学したそうですね。どのように勉強していたんですか。
前田 高校時代の野球部の監督が「質より量や」っていう人で、とりあえず量をこなせば下手くそなやつもうまくなる、みたいな考え方だったんで、バットをペンに握り替えただけというか(笑)。特殊な勉強法はしていなくて、ひたすら数をこなしてきました。仕事柄、東大に入った人に会うこともありますけど「とりあえず過去問を解きまくった」と言っていました。最低限の効率は大事ですが、効率を重視しすぎるのも違うんだろうなと思います。
ー読書家の一面もあり、昨年は自著も出版されました。一方で、今の小中学生は3割以上が1カ月に1冊も本を読まないというデータがあります。本の良さはどんなところにあるでしょうか。
前田 本は、人が人を楽しませようと思って、昔からあり続けているエンタメの一つですよね。映画にもない、漫画にもない面白さがあると思います。編集の人と話し合いながらなんでしょうけど、どれだけ面白く、人をドキッとさせたり、はっとさせたりできるか、考えに考えて作られていますからね。今も週1~2冊は読みます。最近だと、朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』が面白かったですね。

夢の存在が自分を助けるパワーに
―今何かに打ち込んでいる小中学生に伝えたいことは。
高岸 夢中になれるものがあること自体、素敵なこと。それに向かって一生懸命に動くことが目標や夢につながって、これから先の人生を助けてくれるパワーにもなるはず。「やればできる!」と応援しています。
前田 自分は学生時代、夢や目標が強すぎて、捨ててきたことがたくさんあるなと思っていて…。なので、肩の力を入れすぎず、視野を広く見た方が得られるものもあるかなと、今は思いますね。
高岸宏行(ボケ)・・・1992年生まれ。愛媛県出身、滋賀県育ち。済美高→東洋大。大学3年時の故障をきっかけに、芸人の道へ。2022年に結婚し、24年に第1子が誕生。プロ野球独立リーグ栃木に在籍する現役の野球選手でもある。
前田裕太(ツッコミ)・・・1992年生まれ。神奈川県出身。済美高→駒澤大→明治大法科大学院中退。大学卒業直前に高岸に誘われコンビを組む。料理やゴルフ、裁縫も得意で、自分が着るシャツやパンツも作っている。読書家でもあり、2025年に初の自著『自意識のラストダンス』を出版した。