バレーボールSVリーグ女子の2025-26シーズンを戦うKUROBEアクアフェアリーズ富山は、序盤10試合を終え7勝3敗とし、14チーム中4位の好位置につけている。15勝29敗で同12位だった昨季から、大きなステップアップを遂げた。その要因として、監督就任2年目となる川北元の指揮のもと、日本人選手、外国籍選手の多くが昨季から残留し、継続したチームづくりを奏功させたことが挙げられる。
長期的視点でチームをリビルド
SVリーグ元年となった24-25シーズン、アクアの新加入選手は内定選手を除いても8人と多かった。一方、退団した5選手はいずれも前シーズン、主力を担っていたこともあり、チームはまさに白紙状態だったといえる。女子日本代表コーチだった川北が監督に就いたものの、合流はパリ五輪終了後の昨年9月。リーグ開幕までの約1か月の間に指導できる内容は限られ、シーズンを戦いながらのチームづくりを余儀なくされた。
低迷するチーム成績にとらわれず、現行メンバーのアクアに可能性を感じていた川北は「昨シーズンが良かれ悪かれ、ここにいるアクアの選手たちを大きく変えたくないとチームには要望していました」と明かす。とりわけ、シーズンを通して活躍した外国籍アウトサイドヒッター(OH)2人、レーナ・シュティグロートとアイリス・ショールテンには川北が直接、残留を要請したという。

「他のチームには、世界で活躍するような外国籍選手たちもいます。このチームにはこの2人の性格、人間性、メンタリティーが非常にフィットしていると思いました。アクアでの2年目に彼女たち自身も日本人選手らとともに成長してもらえるよう、長期的な視点でチームをリビルド(再構築)したかったのです」
デンソー時代の反省生かす
川北は17-18シーズンから5年間、デンソーの監督を務めていた。日本代表級の選手が多く所属する強豪だったが、リーグ優勝には届いていない。リーグのアタック決定率1位に輝いたミドルブロッカー(MB)のシニアード・ジャックが2シーズン続けて在籍した以外、外国籍選手は毎シーズン入れ替わる状況だった。「チームがまとまるため、選手たちとは長い期間、一緒にいたいというのがデンソー時代の反省点でした」と、川北は吐露する。
