富山市の市民グループ「ゆいま~る♥とやま沖縄つなぐ会」の小原悦子代表(77)は、沖縄と平和について考える活動を続けている。大学時代に沖縄県が抱える問題に関心を持ったのがきっかけだ。戦後80年の今年6月には沖縄を訪問。名護市の辺野古新基地建設現場では美しい自然が変わり果てた姿に衝撃を受け、基地反対をアピールするなどして改めて平和を訴えた。(青山郁子)

小原さんは大学時代、沖縄出身の友人と同じ下宿で過ごしていた。当時の沖縄は日本返還前で、友人がパスポートを持参していたのを不思議に思い、沖縄が抱える問題に関心を持った。
沖縄戦の悲劇を描いた映画「GAMA月桃の花」を1997年に富山市で上映したのを機に、親子で平和を考えてもらおうと「月桃の会」を作り、沖縄関連の映画を上映するようになった。2015年4月にドキュメンタリー映画「圧殺の海 沖縄・辺野古」を上映し、同年6月に「ゆいま~る♥とやま沖縄つなぐ会」を発足させた。月1回の例会や講演会などを通じ、沖縄の歴史や文化、在日米軍基地問題や日本の防衛政策などを学んでいる。
初めて沖縄県を訪れたのは、オスプレイが普天間基地に配備された翌年の2013年。座り込みで反対する市民の反対行動をネットで見て、いても立ってもいられなかった。初めて見た沖縄の海は美しく、浜で座り込みをしていたら、高齢の女性が「今日も頑張りましょう」と励ましてくれたという。
今回は6年ぶり5回目の訪問。太平洋戦争末期の激しい地上戦で住民を含む約20万人が犠牲となった沖縄戦の犠牲者らを悼む「慰霊の日」(6月23日)に合わせた。出発した小松空港には今年、自衛隊のステルス戦闘機F35Aが計5機配備された。小松基地では別の戦闘機が離発着訓練をしていたのが印象的だったという。
宜野湾市の佐喜眞美術館では丸木位里・俊夫妻が描いた「沖縄戦の図」全14部作を見学。日本兵による住民の虐殺や集団自決、ひめゆり学徒隊の悲劇を迫力ある表現で描いた作品に、鎮魂の思いを強くした。