バレーボールSVリーグ女子のKUROBEアクアフェアリーズ富山に、新たな戦力が加わった。攻守両面で高いスキルを持つ183センチの長身アウトサイドヒッター、中川美柚(みゆ)だ。SAGA久光スプリングスで8シーズンプレーし、2023年まで日本代表メンバーに名を連ねていた。近年は久光でプレータイムを減らし、代表活動からも遠のいているが、実力は代表クラスに匹敵する。「環境を変えてもう1回、自分と向き合ってバレーしたいです」と、アクアを新天地に選んだ。

中3でアジアユース優勝
中川は愛知県出身で、両親はともに実業団のデンソーでバレーをしていた。小3でバレーを始め、小6時には東海大会で準優勝した。中2時には、地元開催の全国中学校大会に出場。愛知県代表の一員として参加した都道府県対抗中学大会では優秀選手に選出されている。「全国大会に出られたからこそ、代表合宿などに召集されるようになりました。自分の中でターニングポイントになっています」と中川は述懐する。
すでに身長は高かったが、専従でミドルブロッカー(MB)を担った経験は、当時も今もない。センターでなくサイドで重用される理由を、自身はサーブレシーブなど守備面の評価にあると考えている。「小学生のうちにバレーの基礎を学べました。毎日練習で厳しかったですけど、この時にちゃんと教えていただいたからこそ、今の自分があると思います。サーブレシーブができる点は、中学でも武器になりました」
中2で韓国遠征を経験し、中3時には日の丸を背負っての初の国際大会となったアジアユース女子選手権(タイ)に臨んだ。宮部藍梨(現姫路)、島田美紅(元アクア)ら高校生がチームの主力を占める中、中川は全試合にスターターとして出場し優勝に貢献。「周りのレベルの高さについていこうと必死でした。刺激的な毎日を与えてもらえていた印象です」。代表活動のなかで、1学年上の山城愛心(元アクア、現岡山)らと交流が深かったこともあり、山城の在籍する東九州龍谷高(大分)への進学を決めた。
高3の夏、悲願の日本一
全国屈指の強豪校で、中川は1年時の春高からレギュラーの座を獲得。2年時にはインターハイ4強と存在感を示した。