富山市の漫画家、「よっしー」さん(46)は、新人の糖尿病内科医の成長を描く「ケットウ!~糖尿病内科医・甘栗美咲~」を漫画アプリ「マンガDX+」で連載している。妊娠糖尿病から移行した糖尿病に苦しんだ自身の体験を基に、病気の基礎知識や患者の思い、寄り添ってくれた主治医への感謝などを物語で描く。6月24日に初の単行本を出すことにしており「糖尿病は身近な病気なのに十分に知られていない。理解を深めてもらうきっかけになれば」と言う。

医師の成長を描く「ケットウ!」

 よっしーさんは、父が糖尿病患者だったため、小さい頃から適切な栄養バランスを心掛け、妊娠前は運動も十分にしていたという。妊娠糖尿病と分かったのは、長男の妊娠7カ月の26歳のとき。自覚症状はなかったが妊婦検診で血糖値が高いことが分かり、くわしい検査の結果「妊娠糖尿病」と診断された。診察の結果、「食事に気を付けましょう」などの注意でとどまり、インスリン投与などは行わなかった。

妊娠糖尿病
 妊娠中に発見された糖代謝異常で、まだ糖尿病には至っていない状態。症状は高血圧症候群、羊水量の異常などが挙げられる。肥満、糖尿病の家族歴のある人、高年妊娠、巨大児出産既往のある人などはリスクが高い。赤ちゃんも高血糖になる可能性が高まり、心臓の肥大や低血糖などが起こり得る。妊婦の約10%が妊娠糖尿病と診断されるというデータもあり、早い時期の発見・治療が重要。

 長男の出産後は血糖値が正常値に戻り、症状は落ち着いていた。

残り1262文字(全文:1891文字)