バズりそう。見た瞬間、そう思った。南砺市の会社員、本多健志さん(46)が手がけるユニークなミニチュアの獅子頭だ。ラーメン、カレー、五箇山合掌造り家屋、熊手…。本多さんの手にかかると、何でも獅子頭になる。ユニークな作風の秘けつを聞くと、意外な経歴が明らかに…

自費出版した「珍妙獅子頭図録」を手にする本多さん=三恵金型工業
三恵金型工業(南砺市松木・福光)に勤める本多さんがミニチュアを作り始めたきっかけは、新型コロナウイルス禍で仕事量が減る中、山田俊影社長が「会社のマスコットキャラクターを作ろう」と社員から案を募ったことだった。
金型製作に携わる本多さんが、ぱっと頭に浮かんだのが獅子頭だった。プラスチックを流し込んだ時に閉まり、冷えたら開く金型の成形工場の動作が、獅子頭の口の開け閉めに似ていると直感した。獅子頭の金型を作る提案をしたところ、山田社長に「面白い」と採用された。
第1弾のヒントは娘のおもちゃ
ミニチュアは、プラスチックに樹脂粘土などで模様を付けて仕上げる。当初は、仕事の休憩中や休みの日に、赤や黒、金といった色の正統派の獅子頭を真面目に作っていた。基本色を塗るのに飽きた頃、娘が遊んでいたお菓子作りのおもちゃに目が留まった。
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