深酒を好まない若者が増え、夜の過ごし方が変わりつつあります。全国で人気を博す「夜アイス」の専門店が、県内で相次ぎオープン。「食事後にアイスを食べに行く」という新しいトレンドが上陸しました。そこで今回は「夜アイス」のほか、県内では珍しい「夜パフェ」や「夜カフェ」に注目します。アルコールが主役じゃない夜を、きょうは選んでみませんか。(情報は取材時の内容です)

cafe301(カフェ サンマルイチ、黒部市)

本格的なフレンチを普段着で

 黒部市役所前に位置するカフェ。開放的で落ち着きのある店内は、夜になるとキャンドルの明かりに包まれる。フレンチレストランを中心に県内外の店で経験を積んだオーナーが営んでおり、夜は予約制のコース料理の日と、好きなメニューを一品から注文できるバルの日がある。

コース料理の一例(5,500円、要予約)この日の前菜は「リブロースステーキのサラダ」とスペインの冷製スープ「ガスパチョ」

 彩り豊かなコースでは、季節の食材を使った本格的なフレンチやカフェタイムに人気のデザートが楽しめる。「普段着でいいし、箸で食べてもいいんですよ」とTシャツ姿で話すのは、オーナーの妻の岩井千明さん。ぜいたくなフレンチを気取らずに味わえ、地域の人の安らぎの場になっている。

「ナシゴレン」(1,200円)夜のバルの日に提供しているメニューの一例。甘辛い味付けにスプーンが止まらない
 

GUMP COFFEE.(ガンプコーヒー、立山町)

夜の古民家で  香り高いコーヒーを

 「スペシャルティコーヒーのある、よりよい1日を」をコンセプトに、古民家レストラン「森の茶屋 糧」内で自家焙煎(ばいせん)コーヒーを提供している。豆の種類ごとに細かく焙煎度合いを調整し、味や風味に悪い影響を与える豆を丁寧に取り除く。産地の個性を引き出した1杯は、口に含んだ瞬間から飲んだ後まで、変化と余韻が心地よい。

「ハンドドリップコーヒー」(500円)、「バスクチーズケーキ」(470円、期間限定)アイスコーヒーはプラス50円、プレミアムビーンズはプラス200円。季節の手作りチーズケーキと一緒に味わいたい

 「時間を問わずおいしいコーヒーを楽しんでもらえたら」と店主の小倉一臣さん。夕方になると店内の照明を落とし、一層落ち着いた雰囲気を演出する。読書にふける人、おしゃべりを楽しむ人など過ごし方はさまざま。思い思いの時間を過ごせる。

「夜のコーヒーパフェ」(890円、18時から注文可)フルーティーな香りのコーヒーゼリーと季節のフルーツのマッチングを楽しめる夜限定パフェ
 

TIME(入善町)

飲酒後の2軒目に  コーヒーで締め

  扉を開けると、軽快なジャズの音色が耳に入ってくる。店主の下村隆さんが自作した真空管アンプから音楽が流れ、ジャズのレコードや関連書籍がずらっと並ぶ。特別感のある空間が心を弾ませる。

左から「生レモンスカッシュ」(500円)、「エチオピア」(600円)生レモンスカッシュは、注文が入ってからレモンを搾って作る。すっきりと飲みやすい

  スペシャルティコーヒーを厳選し、午後9時まで注文を受け付ける。1軒目でお酒を楽しんだ人が2軒目として訪れ、コーヒーを飲んで一服するという。「エチオピア」はエチオピアのコーヒー品評会で1位だった豆を使う。濃厚で芳醇な甘みのある香りが魅力だ。レモンを丸ごと1個使った「生レモンスカッシュ」もおすすめしたい。

「カレーライス」(600円)飽きの来ないビーフカレー。開店して12年変わらない味
 

撮影:南部スタジオ