上市町柿沢にある県内初の信号機がないドーナツ形の環状交差点(ラウンドアバウト)は、2019年5月の設置以来、交通事故が1件も起きていない。上市町や上市署の担当者は「事故防止に有効」とする一方、県内では1カ所のみ。安全性は高いのになぜ広まらないのかを探ってみた。

ラウンドアバウトは、欧米やアジアの各地でも見られる信号機がない円形の交差点。車は時計回りに一方通行で進み、行きたい方向の道路へ出ていく。交差点内の環状路を走る車が進入する車より優先されるルールだ。
海外旅行で東南アジアを訪れた際、大量のバイクがぐるぐると走り、目が回りそうだったことを鮮明に覚えている。停電時に信号機がなくても交差点の機能が保たれることは、電力問題に直面する発展途上国で設置が進む理由かもしれない。

徐行しながら運行する車=上市町柿沢
話を上市町へ戻そう。ラウンドアバウトの一番のメリットは
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