おやつから工芸品まで、富山ならではの上質な逸品を紹介します。(情報は取材時の内容です)

麦芽水飴は「小」(140g、600円)から「特大」(1㎏、3,150円)までの4サイズを用意。一部商品は富山市ガラス美術館と富山駅前CiCビルの1階「ととやま」でも扱う。


光を当てると琥珀色に輝く水あめは、優しい甘さとほのかに麦芽の香りがする。「島川あめ店」は1663年創業。時は徳川幕府4代将軍・家綱の治世で、「くすりの富山」の発展と共に歴史を刻んできた。水あめは越中売薬の主力だった丸薬のつなぎや苦みを和らげるために使われ、あめ造りも盛んに行われた。ただ戦後は砂糖の普及に伴い富山市内のあめ屋は姿を消し、島川あめ店はいまも営業する唯一の店になった。

水飴の材料は麦芽、サツマイモとコシヒカリのでんぷんの三つだけ。釜を移し替えて煮詰めていく昔ながらの製法で、職人が2日がかりで手作りしている。そのまま味わうのはもちろん、パンやヨーグルトのお供、料理の隠し味などバラエティー豊かな楽しみ方ができる。来年はのれんを掲げてから360年の節目。取締役の島川とも子さん(75)は「薬と歩んできた歴史もしっかり伝えていきたい」と語った。

麦芽水飴を県産大豆に絡めた三嶋豆や黒糖豆(写真右、各400円)もお土産にぴったり