おやつから工芸品まで、富山ならではの上質な逸品を紹介します。(情報は取材時の内容です)

一年中販売している「ぶり生ハム」(1,080円)は、ジューシーなうまみが特徴
刺し身でもしゃぶしゃぶでもない。生ハムの響きに珍しさを覚える県民も多いはずだ。全国ブランド「ひみ寒ぶり」は富山湾を代表する冬の味覚だが、鮮魚卸・松本魚問屋の「ぶり生ハム」は夏の天然物を燻製にする。
監修した同社の山下貴民さんはフランスで最高級ホテルに与えられる「パラス」の称号を持つ「Hotel du palais」で修業し、現地の星付きレストランで副料理長を務めた料理人でもある。「脂身の少ない夏のブリだからこそ燻製にしても独特の青臭さが出ず、うまみを凝縮できる」と語る。冬だけでなく年間を通じてブリの価値を高めることで、漁業の収入の安定にもつなげたいという。
調理法はいたってシンプル。塩と砂糖で水分を抜き、ブナの木でじっくりと燻す。ひとくち味わえば燻製の香ばしさとレアな食感が絶妙なハーモニーを醸し出す。富山湾の王者と呼ばれるブリ。まだまだ多くの可能性を秘めている。

