前々回は食事の前のあいさつ「いただきます」の意味についてお話ししました。
今回は食後のあ
いさつ「ごちそう さま」の意味を考えてみたいと思います。こちらも「いただきます」と同じように何気なく言っている、もしくは、何も言わずに食事を終わらせている人もいるかもしれませんね。

①語源は「生き物の命をいただく」
「いただきます」の回でもお伝えしましたが、私たちは生き物の命をいただいています。食後の「ごちそうさま」は「生き物の命をいただきました」という意味があります。
②本来の意味は「もてなしの礼」
「ごちそうさま」は漢字で「御馳走様」と書きます。
お金も物も乏しかった時代は、今のように簡単に食材を買うことができず、大切なお客様をもてなす時は、遠くまで走っていって、食材を調達しなければなりませんでした。そのような苦労をして食事を用意してくれたことに対し、丁寧な気持ちを表す接頭語の「御」、敬う気持ちを表す「様」をつけて、「ご馳走様」と言うようになりました。相手のもてなしに対する深い感謝の気持ちを表す言葉です。
「いただきます」と「ごちそうさま」は対義語であり、二つで一つ。いずれも感謝の気持ちを表します。
その意味を理解すると、自然とあいさつができるようになり、1回1回の食事がとても大切になるのではないでしょうか。
次回は、連載最終回です。お肉を使った料理をご紹介します。
◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆
管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。