暑い季節がやってきました。夏場は疲れが取れず、夏バテを起こしてしまうことがあります。
予防するには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?
夏バテの代表的な症状には
・体がだるい
・疲労感
・やる気が出ない
・食欲低下・食欲不振
・下痢・便秘
・立ちくらみ
などがあります。

夏バテの原因
夏バテの原因として考えられるのは、主に次の4つです。
1)過度な温度差&高い湿度による自律神経の乱れ
夏場は日々の気温差に加え、屋外とエアコンで冷えた室内の温度差が激しくなります。また、湿度も高くなるので、こうした急激な環境の変化に体がついていけず、自律神経の働きが乱れやすくなります。
2)水分&ミネラル不足
高温多湿が続くと、体は体温調節のために大量の汗をかきます。適切に水分を取らないと、水分、ミネラル不足を招きます。
3)睡眠不足
暑くて眠れない、眠ってもすぐに起きてしまう、眠りが浅くなる-など、夏場は睡眠不足になりがちです。体の疲れがとれず、どんどんだるくなっていきます。
4)食欲の低下
暑い日が続くと胃腸の働きが弱まります。食欲が低下して食事量が減ると、栄養バランスだけでなく、水分量も減って脱水を招くことがあります。
食事をしていたとしても、めん類など、のど越しの良いさっぱりしたものばかりに偏りがち。肉や魚のおかずが少なくなり、十分な栄養が取れません。

夏バテ防止におすすめの栄養素
次に、夏バテを防ぐためにぜひ取ってほしい栄養素をご紹介します。
▶タンパク質
筋肉や血液、ホルモンなど、体をつくる基になるタンパク質が不足すると、疲れやすくなります。動物性(肉や魚、乳製品など)、植物性(豆や大豆製品など)のタンパク質をバランスよく摂取しましょう。
▶ビタミンB群
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。疲労回復に役立ちます。
▶ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンです。また、抗酸化作用もあります。強い日差しを浴びる夏の日焼け対策として、ビタミンCの摂取も大切です。
▶ミネラル
カリウムやナトリウム、カルシウムなどのミネラルは、汗をかくことで体から出ていきます。体内のミネラルのバランスが崩れると集中力がなくなったり、足がつるといった症状が出てきます。
夏バテを防ぐためにも、快適な環境を整え、食事量を減らさず、バランスの良い食事を心がけましょう。また、生活のリズムを整えることも大切になります。睡眠環境や睡眠時間にも気をつけたいですね。
次回は、夏バテ解消におすすめの食事をご紹介します。
◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆
管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。