私たちが健康的な食生活を送る上で非常に大切な五大栄養素の1つ、ビタミンのお話しです。
ビタミンは糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素のようにエネルギー源とはなりませんが、摂取した栄養素をエネルギーに変えたり、体の材料にしたりと体内の機能を調整するために欠かせない栄養素です。
主な働きとしては、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、丈夫な骨を作り出します。ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出す、ビタミンB2は脂質からエネルギーを作り出すことを助けます。ビタミンCは体の酸化を防いだり、鉄の吸収を高めます。
また油に溶ける「脂溶性ビタミン」と、水に溶ける「水溶性ビタミン」があります。
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脂溶性ビタミン
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK -
水溶性ビタミン
ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC
脂溶性は熱に強いため、加熱調理しても損失が少ないという特長があります。
ただ過剰に取り過ぎる状態が続くと、身体に蓄積され、過剰症が起きます。症状としては、めまい、嘔吐、肌の乾燥などがあり、主な原因にサプリメントの過摂取が考えられます。
水溶性は、過剰にとっても尿や汗として排出されるため、過剰症は特にないとされています。
しかし吸収される量は決まっているので、1度にたくさん摂取しても吸収されなかった分は尿として排出されます。また、水に溶けやすいため、切った野菜などを長い時間水にさらしておくとビタミンの損失は多くなります。
ビタミンは体内で生成することができないため、これらの性質に気を付けながら、食事からとる必要があります。
◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆
管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。