坪田 お調子者で、いたずら好きでした。落とし穴を作ったりね。田舎だったので、野山を駆け回って育ちました。
編集室 親や先生に反抗したりも?
坪田 親に言わせると反抗期がひどかったそうです。
基本、僕、人の言うことを聞かないんですよね。それって、本当かな?と思っちゃう。子どもの時は「何で毎日学校の掃除をしなくちゃいけないの?汚れた時にすればよくない?」と思っていました。中学の時には、校則が坊主頭だったことに対し「強制されるのはおかしい」と主張。理論武装するために勉強して先生たちを論破し、校則を変えました。面倒な生徒だったと思います。
でも親や先生の言うことと違うことをするのを「反抗」と呼ぶのは、僕は違うと思います。指示通りに動けと言われることを嫌がるのは、むしろ自然なことだと思います。
編集室 素直に話を聞こうとしない子どもとコミュニケーションを取るにはどうしたらよいでしょうか?
坪田 素直さというのは特性ではなく、相手によって引き出されるもの。人は自分を理解してくれる人には素直になり、上から押し付けてくる人には反抗的になる。まず相手を理解しようとする姿勢を見せることで、子どもは心を開きます。好きなアニメやゲームを一緒に楽しんだりして価値観を共有するのもいいですね。「オタク」などと決めつけ、くだらないと否定すると、心を閉ざしてしまいます。
編集室 先生の著書『人間は9タイプ』では性格を楽天家、堅実家、研究者など9つのタイプに分け、効果的な勉強法やコミュニケーションの取り方を紹介しています。
坪田 兄弟がいると親はつい比べてしまいがちです。その子によって性格は違いますから、一人一人に合わせた接し方が大事だと思います。中高生なら親は干渉しすぎないほうがいいでしょう。遅刻しないように毎朝起こすとか、失敗させないよう先回りしてあげる親より、「天然」と呼ばれるくらいのんびりした親のほうが、子どもはしっかりするものです。心配からつい世話を焼くのを少し我慢して、子どもが必要としている時に効果的に接してあげられるよう心掛けてみてください。
編集室 ちなみに先生ご自身はどのタイプですか?
坪田 楽天家タイプです。座右の銘は「まぁ、なんとかなる」「棚からぼたもち」「自分のことは棚に上げろ」。名古屋校の塾長室にこの3つが飾ってあります。「失敗」と言われることは「未成功なだけ」と僕は思うんです。苦手科目は「発展途上科目」と言い換えれば、一番成長率が高い科目と考えることができます。ちょっとやればすぐ伸びる。そういう視点でいれば、どんどん成長できますよ。
坪田塾塾長。累計120万部突破の書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)や累計10万部突破の書籍『人間は9タイプ』の著者。
心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。大企業の人材育成コンサルタント等もつとめ、起業家・経営者としての顔も持つ。新著に『どんな人でも頭が良くなる 世界に一つだけの勉強法』がある。
4歳と0歳の娘のパパ、東京都在住。
新刊に「才能の正体」(NewsPicks Book)がある。