4月、それぞれ新しい年度の始まりですね。初めて社会に出て働くフレッシャーズに新しい学校に通う新1年生、その他の子どもたちも1つ学年が上がり、勉強や部活動にいっそう忙しくなります。そして新しい生活に慣れるまでのこの時期は、食事、特に朝食が乱れがちになります。
大人の朝食抜きは「時間がない」
一般的な朝食の欠食率は、小学生で0.9%、中学生で1.8%( 内閣府の「子供・若者白書2017版」より)となっています。年齢が上がり、成人すると男性で15.4%、女性で10.7% 。男女ともに20 歳代でそれぞれ37.4%、23.1%と最も高くなっています。それ以降は歳をとるにつれて下がる傾向があり、中期的な流れでは男女とも40代から50代で欠食率は増加しています( 厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」より)。
大人で欠食率が高くなるのは、一人暮らしや社会人となり朝起きる時間が遅く、朝食事を作る余裕や時間がないといった理由が考えられます。
朝食を欠食すると
- ご飯やパンなどからの糖質が不足し、脳へのエネルギー供給が不足します。また、エネルギーがすくない状態が長く続くと人間は筋肉を壊してタンパク質からエネルギーを作り出すので体が壊れていきます。
- 睡眠中に低下した体温が上がりません。
- 空腹が長く続くと、身体は脂肪を蓄えようとします。反動で昼食、夕食の摂取量が増えると糖質が盛んに脂肪になりやすく、太りやすくなります。
- 朝起きて日差しを浴び、食事をすることにより、身体のリズムがリセットされ、活動のスイッチが入ります。
栄養素を考え具材プラス
朝食にそろえたい食材は3つあります。
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ごはん、パンなどのでんぷんを含んだ糖質
 脳はブドウ糖をエネルギーとしているため、生命の維持、発育・発達、運動のエネルギーとなります。また、集中力のアップにもつながります。
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卵、納豆、牛乳・乳製品など良質なタンパク質
 たんぱく質は身体の材料です。筋肉、臓器、骨、血液、ホルモンをつかさどります。また、たんぱく質は3大栄養素の中で食べるといちばん熱を出します。朝食に食べると体温を上げて、身体を目覚めさせます。
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野菜や果物などのビタミン・ミネラル類
 身体を動かすためや身体の機能を維持するためには欠かすことができません。身体が必要としている栄養素をしっかりと選びましょう。
なかなか野菜やタンパク質が取れない時は、前日の夕食の野菜の残りで具だくさん味噌汁やスープをつくってみませんか?そこにタンパク質の卵や、豆腐、ビーンズ、ウインナーなどを加えたり、牛乳を入れてミルク風スープ、豆乳を入れて豆乳スープなどはいかがでしょうか?手軽に野菜とタンパク質をとることができます。

家族で会話しながら食事をすることは、食事の大切さを再確認する機会となります。出勤時間や登校時間の違いから平日は家族そろって食事をすることが難しいかもしれませんが、ぜひ、休日などを利用してみましょう。
◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆

管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。
 
              
 
       
       
       
       
      