・県立と私立の違いを分かりやすく教えてほしい(学費や教育内容、設備)
・私立高の授業料無償化が実施されるのはいつから?
・公私比率の撤廃について知りたい
県立高校の再編計画が具体化する中、私立高校側の関係者は、再編による影響をどうみているのでしょうか。県私学振興会副理事長で、高岡向陵、新川両校を運営する荒井学園の荒井公浩理事長と、県私立中学高校協会副会長の濱元克吉新川高校長に話を聞きました。
生徒獲得競争 さらに厳しく
県内の私立各校はこれまで、建学の精神を基に部活動や国際教育、地域連携など、特色ある学びを独自に伸ばすことで県立高校と差異化を図ってきました。
濱元校長は「生徒数の減少や県の教育予算の問題を考えると、再編は必要」と理解を示しつつ、再編をきっかけに県立の各校でも特色化に力を入れるようになれば、今以上に、高校間の競争は加速。「生徒獲得競争はこれまで以上に激しくなる」と警戒します。
ただ、「総じて富山県の教育の質が上がるのであれば悪いことではない。私立としては、より一層自分の学校の取り組みをとがらせていきたい」と話します。
公私比率撤廃で定員増

高岡向陵、新川両校を運営する荒井理事長
荒井理事長は「公私比率の撤廃」と「私立高校の授業料無償化」にも注目し、「公私がようやく同じ土俵に立った」と話します。
公私比率とは県立高、私立高が募集定員を決める際に長年目安としてきた数値で、昭和の生徒急増期の受け皿確保や、私立の経営安定のため、1981年に取り入れられました。2023~25年度は県立全日制が70・8%程度、私立が22・6%程度となっていました。
しかし25年2月、少子化などから、私学関係者や県教委らでつくる会議で撤廃が決定。26年度の入試からは各校の設置者が独自に定員を設定できるようになり、私立高校全日制の定員は10校で前年より80人多い2千人を募集しました。
授業料無償化で同じ土俵に
もう一つの「私立高校の授業料無償化」とは、2026年度の政府予算案に盛り込まれている高等学校等就学支援金によるものです。保護者の経済状況に関わらず生徒が希望の進路を選べる環境を整える目的で、県内では今春から、私立高校に通う全生徒の授業料が実質無償化となる見通しです。
これまであった所得制限もなくし、全ての世帯に支援を広げる予定です。授業料とは別に必要となる入学料は、12万4350円を上限に、県が独自に支援します。
荒井理事長はこれにより、授業料の点で「公私がようやく同じ土俵に立った」と話します。「これまでは偏差値順に学校を並べ、公立が上で私立が受け皿、と考える人も多かった。県立と私立が条件面で横並びになったことで、今後は『その高校に行った先に何があるのか』という目的別で進学先を選ぶ人が増えるだろう」と指摘します。
荒井理事長が経営する新川高校では、中学女子球児らの受け皿として今春、県内初の女子硬式野球部を創設するほか、中部エリアで初となるビリヤード部を創設するなど、特色ある高校づくりに力を注いでいます。

ビリヤードを楽しむ部員ら=新川高校
県立高全日制 志願倍率は過去最低
2月24日に出願が締め切られた2026年度の県立高校全日制一般入試では、平均倍率が0・89倍と、5年連続で過去最低に。全体の8割以上の高校で定員割れが生じるなど、県立高校を取り巻く状況の厳しさが改めて浮き彫りとなりました。
近年は中学校での不登校などさまざまな理由から、県立、私立と並ぶ〝第3の選択肢〟として、通信制の高校に進学する生徒も増加しています。少子化が進む中、進路選択の環境はこれまでとは大きく変わり、進学先の幅も広がっています。
