昔ながらの雪囲い「オオダレ」作りを継承する富山県南砺市の世界遺産・相倉合掌造り集落では、本格的な降雪シーズンを前に、技を受け継ぐ地域の女性たちが最後の追い込み作業に入っている。今後、県内外から寄せられた注文者に届ける。
ススキとわら縄を使ったオオダレは、トタンの雪囲いより保湿効果があり、雪の損傷にも強い。日本の原風景が残る相倉では元々、集落保存財団が管理する合掌造り家屋に使うために作ってきたが、全国で技術を受け継ぐ地域が減り、新聞報道などで知った県内外の人から注文が舞い込むようになった。
今年は神社や民宿、民家向けに22枚作る。要望を受けて、竹の雪囲いの編み直しにも初めて挑戦する。
平地域の女性7人が冬本番に間に合うよう作業に精を出している。川崎眞千子さん(71)=相倉=は「技術を継承しないと、文化が消えてしまう。懐かしいと思って、相倉以外でも使ってもらえるのはうれしい」と話した。中島仁司事務局長は「雪が積もる前に届けたい」と語った。
問い合わせは同財団、電話0763(66)2123。