富山大付属病院(富山市杉谷、山本善裕院長)は17日、県内の病院で初めて導入した次世代ロボット麻酔器「AsisTIVA(アシスティバ)」を公開した。人工知能(AI)が全身麻酔手術での薬の投与を支援し、麻酔科医の負担軽減に役立てる。

 アシスティバは2023年に販売され、導入は全国で13番目。患者の脳波や筋弛緩(しかん)の数値を基に、AIが鎮静薬や鎮痛薬、筋弛緩薬の投与を自動で調整する。

 全身麻酔手術は長時間にわたり、麻酔科医の負担が大きい。アシスティバが薬の投与を補助することで、麻酔科医が患者の呼吸や血圧の確認、輸血の対応など、他の業務に注力できるようにする。

 2台を設置した。10日に人工内耳の埋め込み手術など2例で初めて使用し、術後の経過は良好だという。麻酔科の高澤知規教授は「負担軽減によって、麻酔科医の活躍の場が広がる」と期待する。

 同病院はアシスティバ導入を機に、AIやデジタル技術を活用した「スマート手術室」構想も進めるとし、山本院長は「県内は全ての診療科で医師が足りない。機械に代えられる所は率先して代えていきたい」と話した。