富山県内の2024年の医薬品生産額は前年比1・8%増の6334億8500万円で、2年連続で増加した。不適切製造による生産量低下から回復基調となっている上、大手メーカーからの受託生産が増えたことも後押ししたとみられる。ただ、都道府県別の順位は一つ下がり5位。金額の伸び率も全国の数字を下回っており、関係者は「バイオ医薬品など高付加価値製品への挑戦が必要」としている。
厚生労働省が24日、生産額をまとめた薬事工業生産動態統計調査を公表した。全国の生産額は10兆2484億9500万円。前年から2・1%増加した。トップは埼玉で、8731億1千万円、2位は栃木、3位は静岡、4位は山口で、前年から富山と山口の順位が入れ替わった。
県内では近年、製薬企業の不適切製造が相次いで発覚。日医工(富山市)は21年、廣貫堂(同)は22年に県から業務停止命令を受けた。各社は品質管理体制を見直した上で製造を再開。生産量は徐々に回復しており、24年の生産額は21年以降で最高となった。需要の拡大によって供給不足が続くジェネリック医薬品(後発薬)の大手メーカーなどからの受託も増えた。
回復基調にあるものの、毎年の薬価改定や原材料費の高止まりで、製薬企業は厳しい経営環境が続く。県薬業連合会の大津賀保信会長は伸び率が全国を下回ったことを受け「DXによる生産性向上や大学発のシーズ(種)を活用した創薬にも取り組んでいく必要がある」とした。
12年以降、県内の生産額は6千億円台で足踏みしている。産学官でつくる「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムで27年度の目標に掲げる1兆円とは大きな開きがあり、達成が難しい状況だ。
県くすり振興課の竹内大輔課長は、富山市で富士フイルムのバイオCDMO(開発製造受託)工場が完成したことを踏まえ、「バイオをはじめとする成長分野に取り組む人材育成など、必要な支援をしていきたい」と語った。