朝日町立ふるさと美術館は、童画界で長く活躍した同町出身の絵本作家・井口文秀(いぐち・ぶんしゅう、1909~92年)が手がけた数々のコレクションを収蔵する。今年春以降、遺族から数百点の作品が新たに寄せられ、館蔵品は千点を超える。これまで同館で井口作品を鑑賞してきた人も、新たな出合いを楽しめそうだ。

 1991年オープンの同館では、朝日町に滞在して創作に打ち込んだ大正ロマンの文人画家、竹久夢二と並び、井口の作品紹介に力を入れている。館蔵品展を毎年開き、膨大なコレクションの中から「絵本」「教科書の挿絵」などのテーマで取り上げている。

朝日町出身の井口文秀

 開催中の「井口文秀-教科書原画を中心に-」(7月27日まで)では、童話「ライオンの銅像」「スーホの白い馬」「大造じいさんとガン」や、紙芝居作品「みにくいあひるのこ」の原画などを展示。ほとんどは、今年加わった同館初公開の作品で、常連ファンでも楽しめる内容となっている。

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