富山グラウジーズがB1復帰を果たした。4勝56敗の燦々たる結果に終わった昨季から応援し始めた私に、「なぜ今さらグラウジーズ?B2なのに?」と声をかける人も少なくなかった。

 「ランニング・ポイント」は、プロバスケットボールチームの女性オーナーがチーム再編に奮闘し、自らの人生を切り開く姿を描いたコメディ作品。

 アイラはスキャンダルで辞任を余儀なくされた家族の後を継ぎ、伝統ある「LAウェーブス」の会長に就任する。バスケットボールの専門知識もなく、スポーツビジネス未経験の彼女を待ち受けていたのは、兄弟からの圧力、SNSで炎上を起こす選手、成績不振によるファン離れなど様々な問題だった。アイラはチームの文化を変え、新しい運営体制を築くためにこれまでの古いルールと戦い、手腕を発揮していく。

イラスト:kumiko yamaguchi

 最終話、LAウェーブスは長年待ち望んだプレーオフ進出をかけ試合に臨む。勝ちが見えた終了間際に逆転され、肩を落としたアイラは「傷だらけの主人公が試合に勝つ。そんなスポーツ映画のエンディングとは違うものになった」とつぶやく。彼女の背後ではLA出身のバンドRIVERが「Why Does It Hurt Me/なぜこんなに傷つくのだろう?」と繰り返し歌っている。

 今季は横浜でのプレ試合に始まり、ホーム/アウェーとたくさんの場所で富山グラウジーズを応援した。開幕戦を制したブロックショット、残り6秒で放った逆転3Pシュートには友人と手を叩き合い喜んだ。残り1秒で逆転された鹿児島戦、初の北陸対決・福井戦はホームで2連敗し唇を噛みしめた。近くで観る選手の大きさ、グラッキー(マスコット)の可愛さ、いろんな場面が記憶に残っている。あっという間の約8ヶ月は、最高の結末を迎え幕が下りた。

 アイラも私も、勝敗に一喜一憂しながらそれでもチームを応援する理由はただひとつ。「愛」に他ならない。

 改めて、富山グラウジーズ、B2優勝・B1復帰おめでとうございます。「今シーズンも最高だったね」とみんなで言える未来が、この先もずっと続きますように!

DJ CHIGON 富山市在住。ロックDJパーティ「LOVEBUZZ」のDJ。インディーロックを中心にプレイしている。