【ドイツ・リンゲンで生活文化部・飯野真衣香】27日夕方(日本時間28日未明)にドイツ・リンゲンで開幕した第16回世界こども演劇祭。開会式直後にパレードがあり、街の象徴である旧市役所が建つ広場「マーケットプレイス」からフェスティバル会場のウィルヘルム・ホーエ公園までの約2キロを、出演者が国旗やプラカードを掲げ行進した。可西舞踊研究所(高岡市)の子どもらは鉢巻きと法被姿で参加。「ニッポン! ニッポン!」と声を上げ続け、甲高い鳴子の音を広場に響かせた。

住宅の窓からパレードを見下ろす市民に元気よく鳴子を鳴らす子どもたち=リンゲン市内
パレードでは、沿道や建ち並ぶ住宅から住民がスマホを片手に手を振り、出演者との一体感が高まる。大勢の市民に見守られ、可西舞踊研のJAPANチームは手を振る方向が分からず少しあたふたしている様子。すると、先頭を歩く現地ボランティア、春美・スルツケ稲田さん(53)=富山市出身=がかじを取り、「みんな! 向こうの家からおじさんが見てるよ。こっちの自転車のお兄さんも救急隊にも『こんにちは~!』って言うよ」と呼びかけた。子どもたちは大きな声で「こんにちは!」と言い、鳴子をカチャカチャと鳴らす。慣れ始めると稲田さんの導きもなしに、子どもたちが自然と“ニッポンコール”を始め、通行人もその様子を温かなまなざしで見届ける。「コンニチハ」と見物客も反応を示すと、子どもの声とエネルギーはどんどん大きくなっていった。

法被姿の子どもたちに手を振り返す見物客
フェスティバル会場では、行進を終えた各国の出演者が集まってきた。
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