戦時中の北日本新聞は、いわゆる大本営発表のような内容が多く、紙面が2ページしかないこともあり、戦意高揚の意図が感じられる書きぶりが目立つ。とはいえ、読んでいるうちに、当時の社会の関心事がおぼろげながら分かってきた。大きく分けて「沖縄戦」「ドイツの敗戦」「食料事情」「空襲」の4つだ。
戦後80年の節目を迎え、富山大空襲までの100日間を振り返る企画の第3回は、1945年5月11~20日の紙面から当時の富山県内の様子などを紹介する。
最も関心が高そうなのは沖縄戦だ。「犠牲を払いながらも米国に痛手を与えている」という内容の記事が連日1面に出ており、沖縄戦が戦争の行方を左右すると受け止められていたことがうかがえる。
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