バレーボールSVリーグ女子のKUROBEアクアフェアリーズ富山は2024-25シーズンを、15勝29敗で14チーム中12位という成績で終えた。ホームアンドアウェー方式で行われたリーグ戦は、過去の国内女子バレーにない規模であり、タフなシーズンだったといえるだろう。選手層において他チームに勝るとはいえないアクアが、シーズンを戦い抜けた要因には、監督の川北元が持ち込んだ戦術「MB1」が大きく寄与した。

NEC川崎と東レ滋賀から2勝ずつ
今季のアクアは、上位8チームに入ってプレーオフに進出することを目標に掲げていた。結果として8位に入るには、レギュラーシーズン勝ち越しが求められている。アクアは年間最終順位13位のアランマーレ山形に2敗、同11位の岡山シーガルズに1勝3敗と、下位のライバルから勝ち星を取り損ねたことなどが響いた。
上位チームに苦戦する中、同7位の東レアローズ滋賀とは1月にホームで対戦し2連勝した。さらに、同2位のNECレッドロケッツ川崎との対戦は、4試合中2試合で勝利し、いずれもフルセットで制している。強豪と渡り合えた経験は、チームをより高みへと導くだろう。
浮島がサーブレシーブで健闘
シーズン開幕直後から、川北のチームづくりはこれまでのアクアとは一線を画することがうかがえた。アクア在籍7年目のレフティー・浮島杏加子は、強烈なスパイクでチームをけん引し続けている。浮島の起用は、攻撃力をどう生かすかのみにフォーカスされてきた。浮島本人が「レシーブは苦手」と話してきた通り、オポジットとして守備負担を軽くすることを、自他ともに前提としてきた節がある。