立山黒部アルペンルートの立山トンネルを走っていたトロリーバスは2024年11月末で運行を終了し、電気バスにその役割を引き継いだ。立山トンネルとトロリーバスにスポットを当てた特別展が富山県側の玄関口・立山駅そばの立山カルデラ砂防博物館(立山町芦峅寺)で開かれている。
小説を題材にした映画「黒部の太陽」で抜群の知名度を誇る黒部ダム―扇沢(長野県大町市)を結ぶ関電トンネルに比べ、あまり注目されてこなかった立山トンネル。しかし、トロリーバス引退を機に、同博物館の丹保俊哉学芸課長補佐(地学)と是松慧美学芸員(考古学)が、アルペンルートの歴史を振り返りつつ、トンネルの“秘密”を解き明かした。特別展では、雄山直下600メートルの地中の岩石や、鉄道ファン必見のトロリーバスに関するお宝の数々も並ぶ。

トロリーバスにまつわる“お宝”の数々が並ぶ展示。トンネル掘削時のダイナマイト設置用の掘削機や手掘り用の掘削機の実物も並べている
曲がりくねったトンネル
室堂―大観峰駅間3・7キロを結ぶ立山トンネルは、アルペンルートの生みの親で立山黒部貫光の創業者、故佐伯宗義の夢だった。
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