富山県警や富山県は、信号機のない横断歩道で車の一時停止率を高める取り組みに力を入れている。12月に「STOP横断歩道」をテーマにしたキャンペーンを展開する。専用サイトで「歩行者優先」を宣言すると、人気キャラクターのグッズがもらえるコラボ企画を行い、県民制作の啓発動画も流す。昨年の民間調査で全国最下位だった富山県の停止率は今年改善したが、県民を巻き込んだ活動でさらに機運を高める。

 キャンペーンは、県交通対策協議会や県、県警が「STOP横断歩道とやま県民宣言」と銘打ち、12月中、18歳以上の県民を対象にウェブ上で行う。「信号機のない横断歩道に近づいた時は減速」「横断歩行者がいる時や停止車両がある時は一時停止」といった項目に賛同すれば、抽選で人気キャラクター「すみっコぐらし」の反射材キーホルダーを受け取れる。

 このほか、県警は今夏に県民対象に啓発動画を初めて募り、優秀作品は今後、公式交流サイト(SNS)やテレビCMで流す。民間では住宅メーカーの「カナディアンホーム」(富山市経田)がテレビCMを自社制作し、放映している。

 官民連携のこうした活動が活発化したのは、日本自動車連盟(JAF)の昨年調査で、富山県の停止率が31・6パーセントと都道府県別で最下位だったため。今年は60・9%に上がった。同協議会の亀山華那さんと県警交通企画課の成田和典次席は「結果を一時的なものにしないため、県民意識を高める取り組みを続けたい」と話した。