職場での電話応対に苦手意識を持つ若者が近年増えています。電話関連サービスのソフツー(東京都)が2023年、職業を持つ20歳以上を対象に行った調査では、「電話に対して苦手意識を感じる」と答えたのは、20代が計74・8%で60代以上の28・2%を上回りました。苦手意識の背景や克服するためのポイント、周囲の適切な接し方について、専門家の見解を2回に分けて紹介します。(上)では、うつ心理相談センター(富山市五福末広町)の村田晃所長に聞きました。(聞き手・小川剛)

電話への苦手意識の背景を解説する村田所長

 2019年に英国でオフィスワーカーを対象に行われた調査で、電話が鳴ったら不安に感じると答えたのは、ミレニアル世代(1980年代前半~1990年代後半生まれ)が76%で、ベビーブーマー世代(1940年代後半~1960年代前半生まれ)は40%でした。ネットを介したコミュニケーションに親しんできた若い世代が電話に苦手意識を持つのは、世界共通の傾向といえます。

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