ハンドボール女子のプレステージ・インターナショナル「アランマーレ富山」は22日まで福井県あわら市で開かれた第76回日本選手権を過去最高の3位で終えた。年明けには初制覇を狙うリーグHが再開される。今大会の戦いぶりからチームの現在地を見つめた。
日本一を目標に掲げるアランマーレにとって、今回の日本選手権は今後を占う試金石だった。9月に開幕したリーグHでは初戦から5連勝を果たした。元日本代表の横島彩が直前に離脱し戦力低下が懸念されたが、韓国籍で加入6年目の朴珉政がチームトップの33得点を挙げるなどエース格に成長して穴を埋め、通算5勝1敗の4位で中断期間に入った。
しかし12月初旬、今度はその朴が母国の強豪へ移籍。アランマーレでの活躍が認められた形だ。「チームにとっては痛い。だが、彼女にとっては良いチャンス。『頑張ってこい』と気持ち良く送り出した」と福田丈ヘッドコーチ。兼子樹も「母国でのプレーが朴さんの夢だった。選手みんなが彼女を応援している。これまで頼っていた分を自分たちがどうカバーしてさらにパワーアップしていくのか模索している」と語っていた。
加入2年目の酒井、高比良が台頭

結果は初の4強入り。準決勝で香川銀行シラソル香川に敗れたものの、延長、再延長を終えて33―33で双方譲らず、サッカーのPK戦に当たる7㍍スローコンテストにもつれる大熱戦を演じた。香川銀行は翌日の決勝でソニーセミコンダクタマニュファクチャリング・ブルーサクヤ鹿児島を34―27で下して初優勝を飾った。アランマーレも頂点に立っていてもおかしくないだけの力は示したと言えるだろう。
ポイントだった得点力は、横嶋不在のセンターで2年目の酒井優貴子が存在感を発揮した。