汗だくになった夏の捜索活動から5カ月余り。カメラで仕留めた「やつ」を、本当に仕留められるかもしれない日がやってきた。高岡古城公園(高岡市古城)の堀にすみ着いている外来種の肉食魚「アリゲーターガー」である。この厄介な魚の「捕獲大作戦」が11月25日、この時期の県内では珍しい快晴の下で行われた。水を全部抜かなくても捕まえることはできるのか―。(一川孝文)
あの肉食魚を再び捜索する日がついに訪れた。今回は私1人ではない。主役は高岡市内外から集まった釣りの腕自慢たちだ。
この日の捕獲大作戦は、角田悠紀市長が政治家になる前に勤務していた富山テレビ放送(富山市)の番組に依頼して実現した企画だという。開催の1週間前、角田市長は自身のX(旧ツイッター)で「古巣にお願いしました。ぜひとも市民の皆さんのご協力をお願いします」と参加を募り、「古城公園のお堀について、いま一度考える機会になればと思います」とつづっていた。

開催日は月曜日。何人集まるのか読めなかったが、見るからに釣りが好きでたまらなそうな約30人が集結し、「この日のために有給(休暇)を取った」と言う人もいれば、複数のさおや多彩なルアーが入ったケースを持参した人も。「匂いで引き寄せる」という作戦で、イワシやサバの切り身を餌にして臨む参加者もいた。
普段はできない釣りに腕自慢集結
公園内での釣りは高岡市の条例で禁止されているが、市は参加者に特別に許可した。つまり今回は、公園の堀で堂々とさおを伸ばす光景が見られる貴重な機会でもあった。

次はいつ見られるか分からない高岡古城公園での釣り大会は午前10時にスタート。参加者は「STAFF」と書かれた黄色のビブスと「許可証」を着用。公園西側の「駐春橋」、北側の「本丸橋」と「池の端濠休憩スペース」、東側の「中の島」の4カ所に分かれて釣りを始め、角田市長も駐春橋で見守っている。
始まって間もなく、本丸橋付近で大きなブラックバスを手にした男性と擦れ違った。