多くの登山者や観光客が訪れる北アルプス・一ノ越(2700メートル)周辺で7月下旬以降、ツキノワグマの出没が相次いでいる。過去には3000メートル近い稜線上でもたびたび目撃情報があるツキノワグマ。クマの生態に詳しい専門家は、たとえ気軽に訪れることができる観光地であっても、山奥のクマの生息地域であることを認識した上で入山することが必要と指摘。登山者による撮影など、クマを刺激しかねない行為の危険性にも言及した。
豊富な餌 生息はごく普通
クマの生態に詳しい立山カルデラ砂防博物館の白石俊明主任学芸員によると、標高2450メートルの室堂などの高山帯ではこの時期、遅くまで残った雪が解け出した場所にクマの餌となる山菜類が生えるという。
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