1858(安政5)年に発生した安政飛越地震は、鳶(とんび)崩れや洪水など大きな被害を越中にもたらした。地震後の富山城下の様子を伝える手稿本「地水見聞録」には、被災の状況がつぶさに記録されている。富山の災害の歴史を研究する高野靖彦伏木高校長がこの古文書を読み解き、現代にもつながる教訓を紹介した。
 ※富山県立図書館が開催した講演会を基に構成しました。①~④の画像はいずれも「地水見聞録」(富山県立図書館所蔵)より。

地水見聞録(富山大百科事典)   安政の大地震(富山大百科事典)

地水見聞録について解説する高野校長(右)

 安政飛越地震の数年前から国内では推定マグニチュード7~8.4の大地震が頻発していた。世の平安を祈って嘉永から安政に改元したにもかかわらず、1855(安政2)年に安政江戸地震が発生。その3年後に起きたのが安政飛越地震だ。

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