女子バレーボール・KUROBEアクアフェアリーズの、6シーズンにわたるVリーグ1部(V1)での戦いが幕を閉じた。この6年、アクアに在籍し続けた唯一の選手、アウトサイドヒッター(OH)浮島杏加子(あかね)は「新リーグでもアクアらしさ、チームの雰囲気は変わらない。それが、先輩たちが残してきた伝統だと思います」と強調する。

サウスポーから放つ強打を武器とする浮島(写真提供・KUROBEアクアフェアリーズ)

希少なサウスポーへの期待感

 宮崎県延岡市出身の浮島は、地元の延岡学園高を経て2015年、久光製薬スプリングス(現・久光スプリングス)に加わった。高校時代は春高バレーに1年時と2年時、出場したものの、いずれも1回戦負けを喫している。全国の舞台で大きなインプレッションを残したわけではない浮島が、V・プレミアリーグで常に優勝を争うチームにスカウトされた。その背景には、強豪校のエースという看板だけでなく、サウスポーから放つ強打を武器としていた点が挙げられるだろう。

 バレーでは基本的に、レフトからスパイクするOHをエースとみなす。ライトから右利きの選手がスパイクしようとすると、アウトになることを恐れ、ライン際は攻めにくくなる。

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