1月1日に発生した能登半島地震をきっかけに、富山市の合同会社「BizMalS(ビズマルズ)」が北陸地方の避難所などをウェブ上の地図で確認できる「北陸防災マップ」を公開した。公開の背景には、DX支援・AI関連事業を手がける同社のノウハウに加え、県外から移り住んだCEOの塩口泰地さん(29)ならではの想いがあった。

 塩口さんは兵庫県生まれ岡山県育ちで、岡山理科大学を卒業。都内のIT企業に就職したが、人の多い都会よりも自然の豊かな地方で働きたいという思いが強くなった。移住先を検討する中で石川県七尾市を訪れた帰りに富山県を通った際、立山連峰の美しさに魅せられ、約5年前に富山市に移り住んだ。

防災マップを公開したBizMalSの塩口さん

 リモートワークなども活用して県内外の企業で勤務してきたが、「デジタル技術の使い方を伝えることで、富山県全体のITスキルを高めたい」と考え、2023年4月にBizMalSを立ち上げた。教育型DX支援、カスタマイズAI・生成AI導入支援などに取り組んでいる。

 1月1日は富山市の自宅で被災した。被害状況や避難所を確認しようとインターネットで検索したものの、地名になじみがなく情報収集に時間がかかった。

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