県内で観測史上最大の震度5強を記録した1月の能登半島地震は、子どもたちに心理的なストレスを与えた。子どもならではのSOSサインやケアの方法はあるのかー。東日本大震災の被災地・宮城県で被災者の心のケアに当たっている専門家に、周囲の大人が注意すべきことを聞いた。

能登半島地震で敷地に地割れが起きた小学校=1月、氷見市内

 「子どもが『不安で学校に行きたくない』と言っている」。地震で地割れや陥没が発生した氷見市内の小学校を取材した際、児童の父親から聞いた。元日に学校へ避難した時に変わり果てた校舎を見て以降、登校することを嫌がったという。他の地区でも「子どもが余震に敏感になっている」など、保護者の悩みをよく耳にした。

東日本大震災の教訓

 「子どもは思っていることを言葉に出してなかなか言えず、体の症状や行動として表れる特徴があります」。みやぎ心のケアセンター(仙台市)の副センター長、山崎剛さんはこう解説する。公認心理師・臨床心理士の山崎さんは2011年の東日本大震災以降、被災した宮城県民の心のケアを担っている。

宮城県の被災者の心のケアに当たってきた山崎さん=仙台市

 山崎さんによると、地震などでストレスを受けた子どもの特徴は、大きく二つに分けられる。「自分を中心に考える」と「言語表現できない・しない」だ。

残り609文字(全文:1162文字)