射水市中新湊にある「かなさき湯」。昔懐かしい雰囲気が漂う中、銭湯では珍しい手作りパンが人気となっている。

番台のそばに並ぶ手作りパン

 焼きそばやポテトサラダが入ったコッペパン、三角形のチョコパイ。番台近くのテーブルには30個ほどのパンが並ぶ。価格は1個180~280円と安く、風呂上がりの客が次々と手に取っていた。

焼きそばパン(左)とポテトハムサンド

 パンは「番台ガールズ」の一人で、店主の次女、太田早紀さん(34)が手作りする。前職で10年ほどパン製造に携わった経験を生かし、かなさき湯で働き始めた1年前から売り出した。「レパートリーは30種類ほど。その日の気分で作ることが多い」と話す。

三角形が目を引くチョコパイ

 パンはもっちりとして素材が引き立つ優しい味わい。人気は枝豆チーズやバナナケーキで、夕方には全ての商品が売り切れてしまう日もあるという。店で売られている地元の「新湊乳業」の牛乳と一緒に楽しむのもお勧めだ。

昔懐かしい雰囲気の脱衣所

 常連客の女性は「パンを目当てに来ることもある。いろんな味があって選ぶのも楽しい」とにっこり。店主の金崎尚士さん(69)は「店の名物になってくれれば」と期待を込める。

湯の魅力を語る店主の金崎さん

 年配の利用者が多いため、パンを作る太田さんは柔らかい生地にこだわり

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